2014年10月21日火曜日

かなりビザールなギター、YAMAHA SA-30T

こないだ、P-90搭載でビグズビー付きのギターを探していて、たまたま見つけたギター。
思わず試奏して即決してしまった。

YAMAHA SA-30T。なんと1967年製である。
そんな昔にYAMAHAがこんなギターを作っていたなんて。

ちなみに1967年〜1972年のたった5年間しか製造されておらず、これは1967年という初期のもの。
センターブロックのないフルアコタイプなので、ギブソンならES-330、エピフォンならRivieraが対抗モデルとなる。

しかし当時はベンチャーズなどのサーフミュージックやグループサウンズ全盛の日本。
細部に当時のYAMAHAの迷走ぶりが伺えます。

まずボディ。
センターブロックのないフルアコですが、コントロールノブはボリューム、トーン、バランサーの3つ。
通常ならピックアップセレクターでフロント、リア、ミックスを選び、フロントとリアそれぞれのボリュームとトーンのノブがありますが、これは3つだけ。
面白いのはミックスのときにフロントとリアのバランスを調整できることで、多彩な音が出せます。

そしてネックはレスポール並みの極太ネック。このタイプは薄くて細いネックが多いのに、変わってます。

そして迷走ぶりをもっとも感じさせるのがヘッド部分。
かなりモズライトを意識したと思われる形状。
そしてモズライトなど一部の60年代エレキにしか見られない、0フレット!
これがあるのは珍しいです。
通常はナットがあって次に1フレですが、ナットの直後に0フレットが存在します。
これはナット、いわゆる開放弦とフレットとの音質差をなくすためのアイデア。

なんか各社のおいしいところや流行をごちゃ混ぜにした感じの、ビザールギター。
しかしその音に惚れました。
ビンテージらしい、メローでブルージーな音。
それでいてミックスでは非常に艶のある音を響かせます。

調べたところ、当時の価格で35000円。
今の価値に換算すると、20万円ちょっとだと思います。
それを当時の価格に近い値段で買ってきました(笑)
かなりガタがあり、各部のガリもさることながら、弦高が12フレ6弦で約2.5mm。これは高い方です。
ブリッジは下いっぱいまで下げられてて、これ以上は下がらず、あとはフレットの擦り合わせと台座の加工が必要。
ただ弾きづらいわけでもないので、あえてこのギターの味として受け入れました。

なんといっても、当時のYAMAHAの技術の粋と職人技が光ってます。
ピックアップをはじめペグ、トレモロアームまですべてYAMAHAオリジナル。
fホールにはハウリング防止のカバーが内部に取り付けられて、作りも一級品。
久しぶりに出会って興奮したギターでした。

もともと練習用の小型アンプを買うつもりが、Orengeのアンプを激安で見つけてしまったので、余った予算でP-90+ビグズビーを探そうかと思っていた矢先でした。

LG-1の時もそうでしたが、パッと見たときに心に残るものがあり、このギターも直感的にそうでした。

しばらくこれに夢中になりそうです。
おそらく僕のメインエレキになるでしょう。

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