Appleの元CEO、故スティーブ・ジョブズといったら、この服装を思い出す人は多いだろう。
黒のタートルネック、ジーンズ、そしてスニーカー。
黒のタートルネックはイッセイミヤケ。
ジョブズのために採寸しオーダーメイドしている。
ジョブズはこれを100着購入した。
ジーンズはリーバイス501。
スニーカーはニューバランス。
彼はこのスタイルをずっと貫いた。
彼のこの格好、実は理由があり、日本と深い関係がある。
ジョブズはある日、ソニーの工場を訪ねた。
工場ではみんなユニフォームを着ていた。
ジョブズはその理由について、故盛田昭夫氏に尋ねた。
「戦後当時はみんな服を持っていなかったのです。そこでソニーでユニフォームを用意した。それによって社員の団結力や絆も深まった。」
その説明にジョブズは感銘を受け、「社員との絆を深めたい」とAppleにもユニフォームを導入することを提案する。
しかし社内から猛反発に遭い、実現はできなかった。
そこでジョブズは自分一人だけでもユニフォームを作りたいと考え、今のファッションになったそうです。
当時、ジョブズにとってソニーは理想の企業であり、盛田昭夫氏は憧れのカリスマ経営者だった。
いいものはなんでも取り入れようとしたんですね。
物作りを始め、人は何かを作るとき、今できること、今目の前にあるものを組み合わせて作ろうとします。
ジョブズは真逆の考えをする。
理想の物を作るためにはどうすればいいか。
目の前にある物から、まずいらないものを捨て去る。
ないものは作る。
そしてそれが本当に作りたかったものなのか、これがベストなのか、とことん突き詰める。
僕は今、まさにこの問題に直面しています。
商品を考えるとき、理想から突き詰めていくけど、工場の現場では今ある設備、今できる技術の範疇でしか動かない。
そこからまったく新しいものを創造しようとしない。
メーカーに勤めるようになって、初めてこの問題に直面しました。
かといって僕は経営者じゃない。
ジョブズのように突き詰めていったら現場に煙たがられるし、クビにもなりかねない。
もし僕の立場がジョブズだったら、きっと彼は会社を辞めて、自分の本当に作りたい物を作るために新しい会社を作るのでしょう。
それができないのが、ただただ平凡を求める僕の性格なのかもしれませんね。
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