2016年4月18日月曜日

神の数式

知識はそんなに深くはなく、すべてがわかるわけではないですが、未知の世界を知ることが大好きです。

ある、宇宙の誕生に迫るドキュメンタリーを見ました。
それは完全なる理論と数式の世界。
なんだか面白くてものすごくその世界に引き込まれました。

万物は素粒子からできている。
それを証明したのが素粒子の数式(標準理論)。
これは素粒子を完璧に証明したものでした。
これはよく話題に出てくることなので知ってました。

一方で、アインシュタインが一般相対性理論を提唱します。
その世界はとても難解なものでしたが、今回おおよそのイメージがようやくわかりました。それは重さやエネルギーの存在によって空間がゆがめられる。その大きさが小さく重力が大きいほどそのゆがみは大きくなるというものでした。これによってビッグバンやブラックホールの存在を予言したものでした。
この理論は実際に太陽を観測したときにその周辺の星の光がゆがめられて異なる位置として見えることで確認されました。
つまりこれがもっと小さくとてつもない重力を持つ場合、その周辺の光も吸い込まれてしまう。つまりブラックホールの存在というわけです。
あらゆる万物を吸い込んでしまうブラックホール。すべてはブラックホールの奥底に凝縮され、やがては大爆発を起こします。つまりこれがビッグバン、宇宙の誕生と同じ理論だというのです。

しかしこの理論だけでも説明の付かないことがあります。この計算では完全なる0秒、つまりビッグバンの瞬間の証明ができないのです。
ホーキング博士はこの計算でブラックホールの奥底に近づいていくと、奥底、つまり距離が0になったとき、答えは∞となり、つまり計算不能となるのです。ホーキング博士はこれを指摘したのでした。つまり一般相対性理論も神の数式ではなかったのです。
これが解明できないと、宇宙の始まりは解明できません。

この∞の問題に挑んでいたブロンスタインは一般理論と一般相対性理論を組み合わせる数式を編み出します。
その結果は意外でした。分母に0が現れたのです。つまり計算不能。
しかし計算の精度を高めれば高めるほど、∞の結果が増えていったのです。
そして彼はこの問題を解決することなく、スターリンによって反逆者として逮捕、処刑されてしまいます。

それから時は流れ、1970年代に入ってようやくジョエル・シャークとジョン・シュワルツが非ハドロン粒子の相対モデルという論文でこの∞の問題を解決に導きます。
二人は誰も見向きもしなかった弦理論を研究してました。
それは最小粒子は点ではなく、輪のような弦状だという考え方でした。
理解の難しいこの理論は、「見捨てられた数式」と呼ばれていました。
彼らは一般理論と一般相対性理論を組み合わせた数式を詳細に検証しました。
粒子同士がぶつかり合うとき、その距離が分母、つまり距離が0になると∞が生まれます。
しかし弦理論では粒子は輪の形です。するとぶつかり合ったとき点にはならず、輪の大きさの距離が残ります。
そこで彼らは点になる部分を弦理論に置き換えました。
その結果、物理学者達を悩ませてきた∞の結果が次々と消え去ったのです。
超弦理論の誕生です。
しかし物理学者達はこの結果にあまり興味を示しませんでした。
それは、この数式が成り立つ条件が10次元であることでした。
一般的に世の中は3次元+時間の4次元とされています。そこへきて10次元とは、一体なんぞやとなったわけです。あり得ないとされたのです。

しかし4次元というのは人間が思い込んでるだけの理論なのかもしれない。
そこでマイケルグリーンは10次元と結果が出ているのだから、10次元なのかもしれないと仮定しました。逆転の発想です。
超弦理論の検証、それを複雑に計算していくうちに、「496」という結果の数字が現れます。これは「完全数」と呼ばれる数字のひとつです。
これは広大な宇宙とミクロの世界が美しく調和しているという意味でした。
ついに神の数式に近づいたのです。そしてこの計算から一般理論と一般相対性理論の数式も導き出され、完璧な理論だということがわかったのです。

しかし10次元というのはいったいどこにあるのか?
それは超ミクロの世界にありました。普段私たちの見ることのできない、超ミクロの世界は10次元の世界で成り立っていたのでした。それは物事をミクロの目で見ることで解明できたのです。

しかしここで再びホーキング博士が異論を唱えます。
ブラックホールの奥底に潜む問題、熱の発生でした。
ブラックホールの奥底は極限まで恐縮された点の世界。素粒子さえ身動きを取れない世界でどうやって熱を発するのか。「ホーキングパラドックス」と呼ばれる問題です。
ホーキング博士は超弦理論を否定したのでした。
この熱を解決する数式は存在しないとまで言ったのです。

ここで登場したのがポルチンスキーです。
彼は超弦理論をさらに進化させたのです。それは弦の粒子も、実はもっとちいさな繊維状の粒子の集まりではないか、というものです。
弦が密集していくとやがて結合して「面(膜)」になるというのです。
そして膜の数式を超弦理論の数式に加えることで、熱の問題を解決したのです。
簡単に説明すると、ブラックホールの奥底の凝縮された世界にも異次元は存在し、その隙間を膜状の弦げ行き交うことで熱が発生していたのです。
ホーキングパラドックスは覆されました。
そしてホーキング博士自身も主張が誤りだったと認めたのでした。

難しいですよね?僕もさっぱりです(笑)
でもとても興味深くて、完全にこの世界に引き込まれて行きました。
元々小さい頃から宇宙や天文が大好きだったので、また一つ宇宙のことを知ることができました。

それにしても一番知りたいのは、宇宙の果てがどうなっているのか、その外側にはなにがあるのか、です。
それを考えると夜も眠れません(笑)

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