先日、「シュガーマン 奇跡に愛された男」のDVDを観た。
ロドリゲスという男の長編ドキュメンタリー映画。
アカデミー賞のドキュメンタリー部門でオスカーに輝いた。
世界が知らないアーティスト、ロドリゲス。
しかし南アフリカではディランよりもストーンズよりも人気があり、一家に1枚必ず彼のアルバムがあるとも言われる国民的アーティスト。
彼はデトロイトの酒場で歌っていたとき、プロデューサーに声をかけられ2枚のアルバムを発表した。
しかしそのプロモーションは大失敗。まったく売れなかった。
失意のもと、ロドリゲスは忽然と失踪する。
建設現場で働いたりもしていた。
その彼のレコードは、誰が持ち込んだのか南アフリカに渡る。
時代はアパルトヘイト。様々な検閲に縛られていた時代。
地元のラジオで流れたのをきっかけに人気に火がつき、アパルトヘイトに苦しむ人たちの反抗ソングとして南アフリカでミリオンセラーとなる。しかしそのほとんどは海賊版だったという噂もある。
死亡したという噂もあった。
それもステージの上で拳銃自殺したと。
南アフリカのレコード店の店主は、彼の消息を知るべくインターネットの掲示板に情報を呼びかけた。
するとロドリゲスの娘と名乗る女性から、まだ彼は死んでいないと連絡がある。
そしてロドリゲスを南アフリカへ引き戻し、ライブを行った。1998年のこと。
彼がレコードを出したのは1971年(だったかな?)。
これだけの年月が経っていたというのに、会場はロドリゲスを待ち焦がれていたファンで超満員となった。
そしてロドリゲスは南アフリカでは誰もが知っている彼の曲を披露する。
当然ながら会場は熱狂の渦に飲み込まれた。
彼の人生は流れに任せてゆらゆら漂う人生。
音楽にも固執しない、お金にも固執しない。
彼はライブの売上金は全部3人の子供たちに渡した。
伝説の復活ライブ後も音楽会に復帰することはなかった。
何度かライブは行っているようだが、呼ばれればやるって感じで。
彼は現在70歳。
その生き方、音楽、どれもかっこいいものだった。
僕はこの映画を観て衝撃を受けた。
こんなすごいアーティストが、まったく世界に知られていなかったなんて。
僕は一発で彼の曲の虜になった。
しかし彼がアルバムを発売したのは40年も前。
映画のサントラは売られているけど、オリジナルのアルバムはぜひ手に入れたい。
そこでいろんな中古CDショップやCDショップを探し回ったところ、、、
ありましたありました。ついに見つけました!
輸入盤の、彼のアルバム!
ファーストアルバムの「COLD FACT」とセカンドアルバムの「COMING FROM REALITY」。
彼の作品はこの2枚だけ。
とにかくかっこいいの一言。
彼の声、メロディー、ギター、テーマ、どれをとっても彼とわかる「自分」を持ったアーティスト。
これは売れないわけない。
なぜ世界は彼を知らなかったのか。
本当に不思議。
今お気に入りのヘビロテアーティスト。
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