登山口付近で気温-7度。稜線付近では-10近くになっていたのではないかと思います。
気温は想定していたのでなんともなかったのですが、とにかく今年は雪が早く、深い。
今回は冬期バリエーションコースだったため一般のルートではなく、途中道なき道を進みます。
雪上では誰かが通った踏み後(トレース)が頼りです。
しかし、今回は吹雪いていてみるみる雪が積もっていき、途中でとうとうトレースを見失いました。
その手前でもトレースが3方向に分かれていて、僕以外の先行してる登山者も迷走しているのがうかがえました。
あと少しで稜線というところで風が強くなり、上部は雪煙でなんにも見えません。
稜線付近が暴風雪になっていることが手に取るようにわかりました。
ここでどうするか。
単独なのでとにかく一人で責任を持って的確に判断しなければならない。
進むべきか戻るべきか、風の和らぐ林の中で体力を温存しながら考える。
南陵に出て森林限界の手前で風を凌ぐようにテントを張るか?
いやいや、この天候だと翌日も吹雪は続く。前に進めなくなる。
かといってこの急登を登り切ると体力を消耗したままここを下るのは危険すぎる。
ふと友達の顔が頭をよぎる。
やっぱ戻った方がいいのかなぁ。
そこで9割方下山する気持ちに傾いた。
しばらくしてメールが入ってきた。
さっきまで圏外だったのに、稜線近くになったので電波が通じたらしい。
麓のログハウスに一緒に来ていた友達からのメール。
天候悪化の知らせと、安否確認のメールだった。
エベレストではないけれど、ベースキャンプは大切だなと思った。
下でもこれ以上進むのは危険と思ったらしい。
僕は下山する旨のメールを返して下山を開始した。
今回装備はきちんとバックアップも含め準備万端だったので問題なかったけど、実は登山開始時にルートの選択を間違えた。
南陵ルートに進むには一旦沢伝いに降りて小屋経由で登るルートと林道をそのまままっすぐ進み稜線へ直答するルートがある。
僕は林道のコースを選んだ。
沢に降りるコースは林道よりも距離が長く、林道は途中まで比較的平坦な道なので体力を温存できると思った。
でも途中からの直登コースはやっぱり厳しかったです。
常に刻一刻と変化する自然と対話しながら、そして自分に自問自答しながら登った今回の単独行。
とても充実していたし、とてもいいコースでした。
必ず戻ってきます。
リベンジ、ひとつ増えた。
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