昨夜、NHKでやっていた「DEEP PEOPLE」を観た。
テーマは「音楽プロデューサー〜ヒットメーカーの舞台裏」。
ゲストとして音楽業界を支えるプロデューサーお三方、秋元康、小林武史、HIRO(EXILE)が出演。
それぞれのプロデューサーとしての立場を語っていました。
おもしろかったのは、この三人それぞれがプロデューサーといってもまったく立場が違うこと。
秋元康はAKB48の曲、踊り、興業、CD・DVDのジャケットから生活まですべての方針を決めていく。音楽の専門家ではなく、「おれ、AKBのメンバーじゃないし(笑)」と語っていたのが印象的。どちらかといえば産業プロデューサー的な立場。
曲に対する注文も抽象的で「ここでガーッ!と勢いのようなギミックが欲しいな」「カラオケ屋で初めて歌詞を見ても簡単に歌える、ノリのある曲」という感じで伝えていく。
HIROはEXILEのリーダーとして曲から数年先の予定、舞台の演出まで手がける。所属会社の社長も務め、いわば「EXILE」という会社を運営していく社長的立場。
EXILEを将来的にどういうポジションに持って行くかロードマップを決め、その流れに沿った興業、CD発売などを行っていく。
小林武史はやはり「音楽プロデューサー」という言葉がぴったりの職業となる。
アーティストを手がけ、彼らの音楽をどのように表現し、売り出していくかをアーティストと共に音楽家的立場から考えていく。
やっぱり僕が注目してしまうのはコバタケですが、彼は「イントロのマジシャン」と呼ばれ、彼の生み出す曲のイントロはものすごく印象的なものが多いです。「あなたに会えてよかった(小泉今日子)」「希望の轍(サザンオールスターズ)」「Hello, Again ~昔からある場所~(MyLittleLover)」「innocent world(Mr.Children)」など、イントロが印象的な曲が多い。
ミスチルとの出会いも語ってましたが、最初はものすごーく暗い連中だったそうです。
演奏もうまい訳でもなく、ただ正直な感じが全体にあったそうです。
コバタケ自身もここまでミスチルが大きくなるとは予想もしてなかったそうです。
で、彼のプロデュースの仕方として特徴的なのが、自身もそのメンバーに加わって、キーボディストとして表に出てくるところ。
MY LITTLE LOVER、ミスチル、いろんな場面でコバタケは表に出てくるわけですが、自分も中に入ることで中から、外からアーティストと向き合って一緒に考えていくというスタンスだそうです。だからプロデュースするアーティストたちと友人としてメンバーとしての立場で意見を言うという立場を取っています。
おもしろかったのはミスチルのエピソードで、コバタケが「この日とこの日に集まろう」と決めるそうです。
その日は櫻井はスタジオに通い、朝早くから夜遅くまで缶詰になって曲作りをやってく。
いわばコバタケ式「管理」なのですが、家で作らせて持ってこさせるより問題点をあぶりだしやすく、会社で言うなら「効率的な仕事」ができるわけです。
HIROの話もおもしろかった。
彼らはライブで公開オーディションをやり、EXILEのメインボーカルを選抜したりするイベントを行っています。
その目的として、もちろん才能あるボーカリストとの出会いはもちろんのことですが、ファンサービスとしても一切書類選考なしでどんな人でも参加できるようにしているそうです。
ファンが参加してくるのももちろんOKだし、体の不自由な人も参加できる。
EXILEが当初から「夢は必ず実現できる」と言ってることを具現化していて、オーディションに出て自分に自信をを持って夢に向かって生きて欲しいという気持ちも込められている。
EXILE的な社会貢献の仕方です。
秋元康はAKBに対しては一人一人の意識を求めていました。
一人一人が来てくれた観客のことを考えて言葉一つ一つを選んでいく。アイドルとしてきちんと人に気遣うことのできる人に育って欲しいという思いが伝わってきました。
ドーム公演の後にメンバー全員に「こんな大きなところで、とか、ドームでできてうれしいです、とか、そんなことを何回言えば気が済むんだよ」とメガホンで叱責していたのが印象的でした。
それぞれの音楽産業との関わり方、とてもおもしろかったです。
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