2012年1月11日水曜日

ADHDと僕

先日のニュース「増える大人の発達障害 仕事に支障、ひきこもりも」以降、自分のADHDについて再度考えている。
僕の場合は、厳密に言うとADHD+AS+鬱病の合併型。
鬱病は以前ほどは出ないけど、相変わらず心が不安定な時があり、完治したとは言い難い。
特にここんとこ心が沈むことが非常に多いです。
ADHDはPTSD、鬱病、アスペルガー、高機能などと合併することが多く、純粋にADHDのみという人は全体の20〜30%だと言われる。
これらをまとめて自閉症スペクトラムとしてPDDとしてまとめて取り扱うという意見もあるが、それぞれの症状が完全に解明されていないためこの区分方法については確立されていない。


ASと高機能の違いも非常に曖昧。
同じとする意見もあれば、別だという意見もある。
僕自身もわからない。
ただ、コミュニケーション障害、強いこだわり等自覚症状はある。でもそれがASなのか高機能なのかと言われると、現在の一般的な見解から推測するとASなのだろう。
実際、この境界が曖昧ではっきりとした線引きができないため、2013年に発行されるDSM-VではASの独立した診断分類は削除される。


ADHDではっきりとわかっていることは、抑制や自制に関する脳の神経回路が発達の段階で損なわれいるということ。そのため通常の人にくらべ脳の神経同士の伝達の役目をするドーパミンやノルアドレナリンの分泌量が少ない。
この分泌量を増やすのがメチルフェニデートやリタリンといった薬だが、現在は18歳未満の治療にしか認可されていないこと、鬱病、AS、PTSDなどの合併症を起こしていることが多いため単純に処方できないなどの制限があり、現在のところ僕には処方はできない。
よって、薬物療法は現在のところできない。


ワーキングメモリがADHDの主要な障害または中間表現型であることは明らかにされている。
ワーキングメモリトレーニングを受ければ一時的な対処療法としては効くが、治療には至らない。


コーヒーに含まれるカフェインがドーパミン分泌に役立つことは知られているが、これもわずかな一時的改善のみで、相当量飲まないと効果は自覚できない。
それでも今は1日5〜6杯のコーヒーを飲んでいる。
実際にコーヒーが効いているのかはわからないが、コーヒーを飲みながらデスクワークしている時は飲まない時よりも効率がいい。
問題はADHDであるが故、デスクにコーヒーが置いてあることさえ忘れてしまうこと(笑)。


ASについては趣味であるギターがわかりやすい。
素材、音質、弦の種類、曲に合うギターの音までこだわる。
そのためギターも本数が増える。
ボディはマホガニー、指板はハカランダやローズウッド、ピックアップならP90といったように。
ギターの選び方もASの典型。
僕はストーリーのあるギターが好き。
このギターが生まれたきっかけはなんだったのか、どうしてこうなったのか、興味を持つとその歴史やいきさつを徹底的にさかのぼって調べる。その過程やエピソードに納得するとそのギターに非常に魅力を感じるようになる。


コミュニケーションについても顕著。自分でもわかってる。
例えば相手の目を見つめながら話すと言葉が出てこない。「見つめられる」行為自体が恐怖や心配の対象となる。
相手はそう思ってなくても、悪い方向に想像してしまったりして怖くなる。
あとはその場の空気が読めない。いわゆるKY。
ADHDと合併しているため、相手の行ったことを100%記憶&理解ができず、勝手な解釈をしてしまったり同じ事を聞いたりする。
相手の行った言葉を額面通りに受け止めたりする。「勉強なんかできなくていい」と言われれば、勉強なんてしなくていいんだと解釈する。冗談交じりで「サイテー!」と言われてもどん底に突き落とされた気になる。
人の言動や行動の裏を説明することもできるけど、それは大学で心理学を学んだからだと思う。
たが、その学んだ知識と自分の行動はまったく別で、一切結びついていない。


いつも笑いながら「僕はADHDだから」とか言ってるけど、実際は非常に深刻。
不謹慎ながらもカナーでいる方がどんなに気が楽だろうって思ったこともある。
治せるものなら治したい。でも今はその手段がないのが現状です。
だからこそ必要なのは周囲の理解と協力。
幸いなことに、僕は理解してくれる仲間が周りにたくさんいた。
「しょうがないやつだな〜」と思われながらも下手に生きる僕を見てくれている。
僕はそれだけで幸せを感じる。

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